2017年4月23日日曜日

ハセガワ 1/48 一式戦闘機 隼Ⅰ型

プラモデル製作記です。

ハセガワ社製の1/48スケール「一式戦闘機 隼Ⅰ型」が先日完成しました。詳しい方には言わずもがなですが、帝国陸軍を代表する戦闘機です。現在は日産自動車・スバルと分散解消しましたが、戦前を代表するベンチャー出身の巨大企業「中島飛行機株式会社」のベストセラーであり、性能的には喰い足りなくともよく戦った「歴戦機」「使い減りしない軍馬」であることは誰も異論がないでしょう。

特にマレー/ビルマ(ミャンマー)方面では英国のハリケーンやスピットファイアと互角以上の戦いを演じ、大英帝国の東アジア支配を瓦解させた機体として記念碑的な戦闘機です。米国に敗れたりとは言え「大英帝国と刺し違えた戦闘機」です。

今回の機体選びテーマ(勝手に決めているだけですが)は「日本のトップエース機」、製作テーマは「完全筆塗り(田中式)の練習」というところです。というわけで、隼のトップエースといえば「軍神」加藤建夫少将や「ビルマの桃太郎」こと穴吹智曹長、「魔のクロエ」こと黒江保彦少佐が有名ですが、ひねくれものなので「腕の佐々木」(ご本人はそのあだ名を否定されてますが)こと佐々木勇准尉(搭乗時は軍曹)の飛行第50戦隊所属、赤い電光も鮮やかな「鳶」号をチョイスしました。公式記録で38機を撃墜している間違いなく日本のトップエースの一人です。

さて能書きはこれくらいにして製作記に入りましょう。
まずはインストラクションに従いコクピットから。この時期のコクピット色は諸説あり、青竹色という説も有力ですが、今回は筆塗りしやすい「中島系コクピット色」を選びました。米軍機も含めて、この時期の機体ってインテリアグリーンなんですよね。なぜか理由があるのでしょうか。


計器版はしっかりしたモールドがあるのでドライブラシと書き込みで対応。老眼鏡が手放せません。


ハ25エンジン(ハは発動機の記号)です。管状冷却機(要するにオイルクーラー)がついてますが、分厚すぎです。とはいえ一体整形されているものを壊さないように削り込む技術と度胸がないのでそのままです。「カッパー」で塗装し、綿棒で軽く磨いただけです。オイルラインは冷却機のせいで見えなくなるので省略しました。



娘に邪魔されながら「士の字」へ。



で、リベット打ち、師匠の言葉を借りれば「写経」です。今回は手持ちの図面にⅠ型がなかったのでネットでそれらしいものを探してプリントアウトしました。これをやると精密感が違うのと、図面とニラメッコになるので機体設計の理解が進む(気がする)ため、異様に面倒くさいのですがやってしまいます。ちなみに外国機ではやりません。それほど思い入れがあるわけでもなく面倒なので。


隼のリベットラインはかなり面倒です。もう少し「作りやすさ」を考慮した設計にならなかったもんでしょうか。フロントローディングが甘い。(先人に失礼ですね。当時そんな手法は一般的ではありません。)


また、キットはⅡ型と共用らしく着陸灯が左翼に付いています。インストラクションによれば「透明部品を接着して塗装します」とか書いてありますが、何か付いている感が残ってしまい話しになりません。仕方ないので苦手なパテ修正です。あとはひたすらチクチクチク。

1ヶ月を要した写経を終えたら、塗装に入ります。田中式筆塗りでは日の丸をコンパスでけがいて、それ以外はフリーハンドなのですが、電光マークは到底フリーハンドでは描けないと判断し、マスキングテープを切り出して貼り、その周囲をデザインナイフでけがきました。あとは極細面筆で縦横斜めと重ねていきます。



だいぶ出来てきました。


スミイレはガンダムマーカーふき取りタイプという筆ペンで行い、2翔のプロペラをつけてイメージを見てみます。とりあえず隼Ⅰ型以外には見えないのでOKとします。



最後の鬼門、垂直尾翼の白文字「鳶」です。一回でうまくいくとは思えなかったので、ふき取りやすいタミヤのエナメルカラーで10回は書き直しました。どんなものでしょうか。右側はどうしてもうまくかけなかったのでお見せできません。(笑)



あとはアンテナ線を張ったり(ハゼ用釣り糸を愛用)、排気汚れをタミヤウェザリングマスターでお化粧して完成です。今回はスコアマークなどがないため、着任したてをイメージしハゲチョロ塗装はしませんでした。単なる手抜きかもしれませんが。(笑)


海軍の零戦と比較してもさらに華奢な「隼」です。そのくせ、大柄美人の「疾風」やドイツ風美人で胴体は頑丈な「飛燕」よりも整備しやすくはるかに稼働率の高い「元気」な機体で、一見病弱なのに実は頑丈という武家の奥様みたいな(勝手な連想)機体ですね。ハセガワ社のプロポーションにはいろいろ文句もつきましたが手に入るキットではベストなのではないかと思います。


ちなみに次回は積みキットを減らすべく米軍機です。

2 件のコメント:

  1. 早速やって来ました(笑)。隼、イイですね。柳腰の日本美人です。ハセのキットは下腹が出っ張りすぎなど、色々欠点もありますが、どこから見ても隼にしか見えんので、私は「良し」としております。陸軍さんの後継機がいずれも何かの欠陥を持っていた中、軍馬として最後まで良く働いた機体だと思います。Ⅲ型になると、武装を除いては零戦より高性能になりますしね。

    それにしても筆塗りとは恐れ入りました。綺麗に塗れてると思います。私はエアブラシしか使わんので、筆塗りされる方を見ると尊敬します。私には出来ない塗り方なんですよねぇ・・・。

    GW中日に良い物見せていただき感謝です。当方、九連休とは行きませんでしたが、残りの五連休で出来るだけ進めたいと考えております。

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    1. Oni様、早速コメントありがとうございます。筆ムラだらけで、厳しい仕上りですが…

      雷電以来、完全筆塗りは2回目ですがなかなか上達しません。

      三型もいずれやりたいと思っております。

      師匠のコメント感激でございます。
      引き続きよろしくお願いいたします。

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